─水葉side─
あれは14年前───。
私と柚葉が3歳の頃。
私と柚葉は双子の姉妹で生まれた時間の差で私の方が少し姉だった。
あの日……お母さんが近所の人と話してる時に柚葉はこっそりお母さんの手を離して小倉山に向かったそう。
その時私は熱を出してて………おばあちゃんと一緒にお留守番してた。
お昼寝から目が覚めた時、おばあちゃんが焦ったような声で電話してて…お母さんが慌ただしく帰ってきたかと思うと、今度はお父さんも帰ってきて──。
『お母さん、お父さん……おばあちゃんもどうしたの?』
私が布団から降りてきた事に驚いたのか…みんな苦しそうに顔を歪めて──こう言ったの。
『大丈夫だからね。水葉はまだ寝てなさい。お風邪が治ってないでしょう?』って───。
お母さん達の顔を見て、何かあったんだって事ぐらいは何となくわかった。
でも──お母さんとかお父さんにいくら聞いても答えてくれなかったことがある。