水葉は必死で少女から逃げました。
(どうしてこんな事になっちゃったんだろう……)
水葉はくだり坂をザザザーッと降りながら胸に後悔ばかりが押し寄せていました。
雫の言葉を聞いておけば良かった───。
ただこの想いだけが何度も何度も頭に響いたのです。
それからも水葉は山をくだり続けていたのですが急にふっと背後から少女の気配がなくなりました。
(あれ……)
水葉はゆっくりと後ろを振り向くと後ろにはもう、誰もいなくなっていました。
(誰も、、いない……?)
ホッとして前を向くと───。
「────っ!」
その少女が水葉の目の前でたたずんでいたのです。
「私……心臓、なくしちゃったの、、だから………ちょ、うだい……」
そう言って少女は水葉の胸元に手を伸ばし………
──ブチッ
水葉の心臓を抜き取ってしまったのです。