最寄り駅から電車に乗って五つ先に、僕たちの高校がある。

高校の最寄り駅からは歩いて十分もかからない。



たかが五つ先の駅。

時間にすると電車には二十分も乗っていないのだが、さすがに朝の電車は混んでいる。


人口密度は高く、周囲との距離はほぼない。




つり革にはぎりぎり掴めるけれど、時間ずらしたほうがいいかもしれない。


そう思うのも隣にいる彼女のせいだった。





昨日断ったのにも関わらず、朝には僕の部屋まで迎えに来て、一緒に行こうと再度誘ってきた。


そして満員電車は危ないから女性専用車両に行きなさいという僕の言葉を無視して、彼女は僕と一緒の車両に乗った。