夢を見た。

男の人と女の人が喧嘩している。

私は、柔らかいものに寝転がってそれを見ていることしかできなかった。

言葉を発そうにも、止めようにも、自分の意思で体が動かせない。

私の側には、3歳くらいの男の子がいて、不安そうに喧嘩する2人を見ている。

白濁としていた視界が次第に鮮明になると、男の人と女の人がそれぞれ何かを抱えていることがわかった。

何だろう……と注意してみると、プクリと風船の繋がったような、小さな赤ちゃんが見えた。

2人共、赤ちゃんを抱えて揉めている。

……離婚の親権争い?

でも、それならこの男の子は?

私は、何でココにいるの?

何が何だかわからないまま、女の人も男の人も泣き崩れた。

腕に抱えた赤ちゃんは、とても大人しくしていて、そこでぷつん、と途切れたかと思うと、別の場面に一瞬だけ切り替わった。

――俺は罪なんだよ。

淡い夕焼けから垂れた橙色の雫が、艷やかな黒髪を濡らしていた。