「What's your name, a boy and a girl? 」

惚れ惚れするような流暢な英語に呆気にとられて答えが遅れてしまった。

「あ……如月、遥斗です。よろ」

「私は千稲!お兄さん英語上手だね」

さっきまでの怯えようは何処へいったのやら、千稲が目を輝かせて俺の言葉を遮った。

「Thank you. 」

「調子に乗るな」

「調子になんか乗ってないさ。まあ、琥珀は英語苦手だしね〜」

「うるせぇ」

乱暴な言葉とは裏腹に、耳の先が赤く、可愛かったので俺と千稲は顔を見合わせてクスッと笑った。

「遥斗、君がねぇ、琥珀の想い人と雰囲気が似通ってるところがあるっていうんだよ」

「想い人!?」

「そんなんじゃねぇっ。捏造するなっ」

茹でダコのように赤が広がった琥珀兄の顔が面白くて、俺らはまた笑う。

まあ、そんなこんなで知り合った訳だ。