晴海三兄弟から想いを告げられて約一ヶ月が経った、ある日。

 私は自分の気持ちに気付いた。

 だけど。
 それは気付いた、だけで。
 本当はもっと前から彼のことを想っていた、のだと思う。

 彼に想いを告げたい。
 そう思った。


 けれど。
 本当に彼に想いを告げていいのだろうか。

 そうすることによって晴海三兄弟の仲がぎくしゃくしてしまわないだろうか。

 晴海三兄弟が二対一に分裂してしまわないだろうか。

 そんな心配がつきまとい。
 彼に想いを告げる。
 そのことをものすごく迷い悩んだ。



 そんなとき。
 ほぼ同時に晴海三兄弟からメッセージが送られてきた。

 内容は。
【ふとしたきっかけで俺たち兄弟は全員、彩音に告白していることを知った。
 けれど、彩音は彩音の気持ちに正直になってほしい。
 彩音が俺たち三兄弟の中の誰かを選んでも誰も選ばなくても俺たちの仲が壊れることはない。
 だから彩音は俺たち三兄弟に遠慮しないで素直な気持ちで歩んでいってほしい】


 晴海三兄弟は私に直接言わずにメッセージを送ることにしたのは。
 私が気まずい気持ちにならないように、だと思う。

 確かに直接言われるより、その方が気持ちは楽。



 晴海三兄弟からのメッセージのおかげで。
 決心することができた。

 彼に想いを告げる、ということを。


 そして彼に想いを告げて。
 恋人同士に。