小さく浮かび上がった廻の姿
「何?姉さん」
「廻。お願いがあるの」
「お願い?姉さんからお願いだなんて、珍しい」
確かにそうかもしれない。
めったに、廻に連絡をすることもないし
こっちに、連絡をしてくる事も無いから
「で?お願いって?」
「あたしの出産のために、お母様と魔導士をこっちに送り込んで欲しい」
「何言って・・・」
「無理なのも分かってる。でも、悠翔は知らないの。
子供が”双子”だっていう事も。魔界の人間だったあたしが
双子を産むリスクがものすごく危険だってことも。
だけど、悠翔を悲しませたくない。
子供たちに”母親”のいない辛さを味会わせたくないの」
「姉さん」
廻の顔を見ると、何とも言えないような表情をしている
「いつ、予定日だっけ」
「来月」
「分かった。母さんと魔導士をそっちに送る。
出来る限り、早い時間帯に送れるようにする」
「ありがとう。廻」
連絡を切ったあたしたち
「悠翔は、どんな反応、してくれるのかな」