子供たちは、こんなパパで幸せ者だ
「奈未。子供を産むとき”向こうの世界”に帰るか?」
「え?」
食べだしたパスタを、途中で止めて
悠翔の顔を見ると、考え込んでいたのはこれだったのかと
思わされた。でも、あたしは
「悠翔は、そうして欲しいの?」
「俺は、奈未のしたいようにしたらいいと思う。
出産するのは、奈未だし。俺はそれを見届けることしか出来ないからな」
はる・・・
「俺は、こっちで産んでも、向こうの世界で産んでも
奈未の決めたことに反対はしねぇ」
そっか・・・
悠翔は、あたしに選択肢をくれてるんだ
「悠翔。あたしはね?こっちの世界で産みたいの。
だって、悠翔は、この子のパパなんだよ?1番最初に見て欲しい」
「そうか」
「それに、向こうの世界での出産方法をお母様から聞いたでしょう?」
「あぁ。俺は、それはそれで構わないと思ったんだ。
奈未の体が無事なら。向こうの世界での方法もありだなって」
そうだったの?
「奈未」
「なぁに?」
「こういう手もあると俺は思う」
そう言ってくれた提案は、あたしと悠翔の意見。両方を合わせたものだ
「廻に聞いてみる」
向こうの世界の王は、お父様ではなく
弟である、廻に引き継がれた。
廻も、向こうの世界で、結婚して子供もいる。
お母様と、魔導士をこっちに連れてくる。
それだけでも物凄い大変なことなのだ。
「そうしろ」
パスタを食べ終わったあたしと悠翔は
2人で片づけてあたしは自分の部屋で
廻と連絡するべく、いつものものを用意した