「木村さんもこのイラストレーターさん好きなの!?」

「う、うん!」

「え~!嬉しい!木村乙葉ちゃんだよね?可愛くて喋ってみたいなーと思ってたんだけどなかなかタイミングがなくて!」


「あ、ありがとう……」

「私のことは悠里って呼んでね」



これがきっかけで悠里ちゃんと友達になれたんだっけ。


楽しそうに話す私たちを見て、絢斗くんは微かに、優しく微笑んだ。


悠里ちゃんと話すきっかけをくれたのは、絢斗くんで。

私が前を向けたのも、絢斗くんのおかげで。



──絢斗くんは私のヒーローだった。