「それにしても、乙葉って転校してきたときは絢斗くんのこと知らなかったんだよね?それが今では大ファンになっちゃうなんて、絢斗くんって本当に格好いいんだね」



そう、私は転校してきた当初、すでに大人気だった絢斗くんのことを知らなかった。



「でも絢斗くんを知らないって珍しいよね。人気急上昇中のモデルなのに」


「あはは……私、そういうの疎くて」




私は、モデルの絢斗くんを好きになったわけじゃない。

絢斗くんを好きになってから、彼がモデルだってことを知った。

まさか私の告白に、彼がうなずいてくれるなんて思ってもいなかったけれど。





「でも絢斗くんって、あんなにモテるのに冷たいよね。まあそこもいいって女の子多いけど。やっぱりモデル仲間の綺麗な女の子と遊んでるのかなぁ」


「……どう、なんだろうね」




私は何とも言えなくて、へらりと笑って誤魔化す。