「っ……!」
軽く噛まれたそこからジンジンと甘い痛みが走って、それはまるで毒みたいに全身を巡って熱を運ぶ。
いつの間にか、絢斗くんの手によって閉じられていた雑誌。
ソファーに倒された私の上に、覆いかぶさる絢斗くん。
苦しいくらいに甘いキス。
「あやと、くん」
必死に名前を呼べば、鬱陶しそうな目をされてしまった。
「……えろい顔」
「っ!?」
ゆっくりと顔を離した絢斗くんが、やっと解放されて方で息をする私を見下ろして呟く。
また、そういう空気になるかと思ったのに。
さっき私が拒否したから気を遣ってくれたのか、それともただの気まぐれか。
行為はキスまでで終わって、絢斗くんはさっさと体を起こして座っていた。