「なに、違うの?」
怪訝な顔をする絢斗くんに、ぶんぶんと首を横に振る。
「違わない!です!」
「そう」
マイペースな絢斗くんは、さっきから感情がジェットコースターな私のことは気にせず、テーブルの上の親子丼を見て「美味そう」なんて呟いていた。
ふたりで親子丼を食べていると、なんだかまるで新婚さんみたいだなぁ、なんて妄想をしていたら。絢斗くんが何か思い出したように、近くの棚から箱を取り出す。
「そうだ、これ食う?」
私に差し出される、ネイビーでラッピングされた箱。なんだか高級そうで、戸惑いながら受け取る。