「……絢斗くん、好き」
寝ている彼の頬にそっと触れて、そのまま顔を寄せる。
口にキスするほどの勇気は出なくて、頬に唇を落としたら、パッと絢斗くんの目が開いたのを見て息を飲む。
「お、起きて……」
じわじわと頬が熱くなって、なんてことをしてしまったんだと恥ずかしくなる。
「ごめんなさい!勝手に!」
慌ててソファーから離れたら、絢斗くんは「うるさ」と呟いてのろのろと起き上がる。
「いや、別にいいけど」
「え……」
「彼女なんだから変なことじゃないだろ」
「っ、彼女……」
不意打ちのその言葉に、きゅうん、と胸が締め付けられる。
彼女って、思ってくれてるんだ。