絢斗くんは芸能人で、ドラマに出るなんてすごいことで、本当はもっと喜んで応援しなきゃいけなくて。
それなのにどうして私は、自分の気持ちばっかり考えて、紗英さんに取られちゃったらどうしようなんて、自分勝手なことばかり考えてしまうんだろう。
「……文句言っていーよ」
絢斗くんはそんな私の気持ちはお見通しだったみたいで、私の肩をゆっくり押してソファーに倒れ込む。
目の前に絢斗くんの首筋が見えて、思わず目を逸らす。
「言わない、よ」
「ふーん、素直じゃねーな」
絢斗くんは私の制服のリボンをするりと抜き取って、プチ、プチ、とブラウスのボタンを外し始める。