「なんでヘコむわけ」
「ご、ごめん……自分から聞いたくせにおかしいよね」
「そうじゃなくて」
絢斗くんは私を見て、いつも通りの感情の読めない綺麗な顔で。
「今までの彼女は長続きもしなかったし、付き合ってって言われたから付き合っただけで別に好きでもなかったし、気にしなくていいんじゃない」
何かその言い方、私は違うって言ってるみたいで期待しちゃうよ。
私とだって、私が付き合ってって言ったから付き合ってくれたんじゃないの?
「そういえばさ」
絢斗くんは何でもないみたいに言葉を続ける。
「俺、ドラマ出ることになったんだよね」
「……え!?」
突然の言葉に、驚いて目を見張る。
え、ドラマ?って、そんなすごいことをどうしてこんなついでみたいに話すの?