「へえ、俺の前に何人かいるかと思った」
「え、何で……!?私そんな風に見える?」
「彼氏できたことない奴があんなほぼ初対面で告白なんてしねーだろ」
「た、確かに……」
絢斗くんに告白した時、絢斗くんとはほぼ喋ったことが無くて。
唯一会話を交わしたその一瞬で好きになってしまって、その気持ちが抑えておけなくて告白して。
今考えればよくあんな勇気があったな、と思う。
あの時はいろいろ必死すぎて後先考えてなかったかもしれない。
「人を好きになったの初めてだったから、どうしていいかわからなくて……」
「そうなの?知らなかった」
「うん……」
絢斗くんは、きっと経験豊富だから。
いつもリードしてくれるし、キスもその先も慣れている感じがするし、大人だし。
だからなんとなく、私は絢斗くんが全部初めてだって言うのが怖かったというか、恥ずかしかった。