必死にキスに応える私を、絢斗くんはそのままぐっと押した。


ゆっくりと倒された私の身体はいつのまにかソファーに横になっていて、私を見下ろす絢斗くんの表情に、きゅう、と体の奥が熱くなった。




「……乙葉」





今日初めて呼ばれた名前に、またキュンキュンしすぎて苦しくなる。


……だけど。




私のワイシャツのボタンを外そうとする絢斗くんの腕を掴んで、止める。

ポーカーフェイスの彼の表情は変わらないから、何を考えているのか分からない。





「……あ、私、ご飯作る」




彼の目に見透かされないように、誤魔化すみたいに。

そう呟いて、ソファーから抜け出した。