「じゃあいいだろ、わざわざ出かけなくても」




絢斗くんはそう言って、スマホをソファーの前のローテーブルに置いて。

それから、ふたりの距離をぐっと縮める。


急に近くなった顔に慌てて目を逸らしたら、薄くて形のいい唇が私のそれに触れる。





「っ、」





首筋からうなじに回される手に、ぞくりと甘い刺激が走る。

そのまま顔の角度を変えて深くなるキスに、上ずった声が漏れて、恥ずかしくなってぎゅっと目を閉じた。