大勢の視線を集めた琴美は小さな身体を更に縮めて、抱えていた膝で顔を隠しながら小声で私を責めた。

「理乃ちゃん、変な事聞かないでよっ!」

「どうして?琴美が一番話してる男子はこの二人でしょ?好きになってもおかしくないと思うけど?」


過去には、最初から河野目当てで私と仲良くなろうとする女子もいた。
琴美がその類いだとは微塵にも思ってないけど、仲良くなってから好きになるのは自然だと思う。


すると。

少しだけ顔を上げた琴美が私の方をじっと見つめた。


その顔は何か言うのを迷っているような表情だった。


…やっぱりどちらかを好きになったのかな?

そんな推測が過ぎった。