「……ライ、」

「あ、は、はい。わかり、ました」



慌てて、こくこくと何度も頷いた。


早急に返事をしないとマズいとわかっていたのに、まるで首を絞められているかのように、一瞬息ができなかった。




……コイツは、こいつらは、こわい。

何がって、怖がっていないことが、こわいんだ。


4人全員が、私相手に傷つけられることを、傷つくことを、傷つけることを恐れていない。

だからこんなにも、躊躇がない。



「……ライ、どしたの。家、ついたけど」

「……え?あ、」



背後から聞こえて来た声に慌てて振り返ると、本当に私の家の前を通り過ぎていた。




「それじゃ、また」

「じゃあな」

「ばいばーいっ、ライ!」



三者三様の言葉を言いながら、くるりと背を向けて夜に消えていく。


その姿を見送った後、二階の隅の部屋まで上がり、がちゃりとドアを開けた。

そこにいつもの顔ぶれが並んでいて、胸の中でため息をつく。




「おかえり。今日の進捗はどうだった?」




……ああ、ほんとうに、これからどうしようか。