「それよりさっ、」
「わかった明間おまえ一旦黙れ。十分……いや、5分でいい」
「え、ムリ」
「それぐらい静かにしてろよ……」
この中ではお母さんポジの友利が明間にあーだこーだ説教してる間に、隣にいた青羽がマイペースにも話し始める。
「まず、ライにはおれたちにスパイだとバレたことは隠してもらう。これは理解できるね?」
「はい」
それは、貴重な情報源がなくなるからでしょ?
「あともうひとつ」
そう言って足を止めた青羽は、感情をまるっきり読み取れない瞳をしながら、呟いた。
「今後、どんなことがあろうとも、絶対におれらのこと、特にサクヤのことは詮索しないこと。いい?」
その時、あ、ころされる、と直感的に思った。
殺意や殺気は微塵もかんじられないのに、スッと目を細めたその中にあるものが、しっかりと私の喉元を捕らえているような、そんな感覚。