「んんっ……」

尻尾や耳に触られたことがくすぐったかったのか、猫間さんが声を上げながらゆっくりと目を覚ます。そして固まる僕を見て「おはよう」と微笑んだ。

「あ、あの……猫間さん……その耳や尻尾は?」

僕が訊ねると、猫間さんは布団から出て体を伸ばす。裸のため、見えてはいけないものが丸見えだ。僕が慌てて目を逸らすと、強制的に猫間さんの方を向かされる。

「そんなに顔を赤くしてどうしたの?昨日はあんなことをしたくせに。ウブじゃないと思ったんだけどなぁ」

「猫間さん……」

猫間さんは猫耳や尻尾を揺らしながら、昨日着ていたドレスを着始める。そして僕の方を見てニッと笑った。

「私はね、百年ほども生きているの。だって化け猫なんだから。だから人間の男なんて簡単に堕とせるのよ」

「は?」

さっきから話がファンタジーすぎてついていけない。でもあの猫耳は本物だったし……。戸惑う僕に猫間さんは近づき、昨夜何度も交わしたような熱いキスをする。