4月。
入学式の日に私は出会った。
ずっと忘れられない人に。
一目惚れだった。
顔が見えてないのに。
その骨格に、雰囲気に。
恋に落ちたんだ。

きれいな字を書くところが好き。
手が好き。
声が好き。

私はあなたのおかげで学校に行けました。
あなたと会うために、その一瞬のために。
学校に行った。
あなたを見るだけで胸が苦しくなって。
嬉しくて。
卒業できたのはあなたのおかげです。

友達が1人しかいなかった私は、1人になると本を読んで周りを気にしないようにしていた。
一人ぼっちにいることより、一人ぼっちに見られることの
方が辛かった。

朝会うと、「はるちゃん、おはよう」と声をかけてくれる。
それだけで嬉しくて。
苦手だった二文字の苗字に感謝した。

三年生になって受験のために委員会に入った。
あなたが担当だった放送委員会に、本当は入りたかったけど
苦手な仕事だったから入れなかった。
だから予想もしてなかった。
あなたが美化委員会の担当になるなんて。
驚いたけど嬉しかった。
タイミングが良すぎて。
人生で嬉しかったことランキング3位以内に入る出来事だった。勇気を出して委員会に入った自分を褒めた。

美化委員会で私は書記にになった。
黒板に書く時、教卓に座るあなたに近くてドキドキしながら書いていた。
委員会の紙を書く時、なぜかあなたは教卓の横のあなたの隣の机に座らせたから、
緊張してボールペンなのにたくさん間違えた。