「自分が何言ってるか、分かってますか?」


教師が生徒に一目惚れとか、あり得ないでしょ。


しかも、今日が初対面なのに。


「分かってるよ。俺は優愛ちゃんが好き。」


「その冗談、面白くないですよ。」


「冗談なんかじゃない。俺は本気だよ。」


先生の顔は真剣で、少し戸惑う。


何て言葉を返せば良いのか分からなくて必死に頭を働かせていると、先生が口を開いた。


「これから、俺が本気って事見せてくから。」


そう言って、先生は図書室から出ていった。


静まり返った図書室で、私は一人突っ立っている。


嵐が過ぎ去った後の静けさって、こういう事を言うのかな。


まだ頭が混乱してる中、本を戻して私も図書室から出て帰路についた。