「変わってるね。………優愛ちゃん。」
「………は?」
一瞬、何で名前を知ってるのか疑問を持ったけど、担任だから当たり前かと納得。
問題は下の名前で呼ばれた事だ。
「馴れ馴れしいです。」
普通に考えて、生徒を名前呼びとかあり得ないと思うんだけど。
「いやぁ、それにしても、“優愛”なんて可愛い名前だよね。」
ダメだ、この人とは会話が成立しないらしい。
「用が無いなら帰りますね。」
読みかけの小説をパタンと閉じ、椅子から立ち上がる。
「待って。」
手首を掴まれ動く事が出来なくなる。
「………なんですか。っていうか、離してください。」
「俺、優愛ちゃんに一目惚れしちゃった。」