「うーん………、これにしよ。」


教室を出た私は、図書室に来ていた。


家には………、あまり居たくないから。


小説を手に取った私は椅子に座り、読み始めた。


適当に取った小説だったけど、読んでみたら中々面白くて黙々と読み進めていた。


「何読んでんの?」


ふと耳元で声が聞こえてビクッと肩を揺らす。


恐る恐る声のした方に顔を向けると、前川先生が居た。


しかもかなりの至近距離に先生の顔があって、一瞬思考回路が停止した。


すぐに正気に戻った私は、「近いです。」と言ってまた小説に目を向けた。