「優愛ちゃん。」


居てもたってもいられず優愛ちゃんに近付くと、優愛ちゃんは顔を隠す様に背けた。


「心配したよ………。」


一旦頬の事は触れず、なるべく優しい声でそう言った。


「………すみません。」


優愛ちゃんの声は、心なしか震えていた。


「とりあえず、俺ん家戻ろう?」


そう声を掛けて優しく腕を掴むと、少し顔を歪めた優愛ちゃん。


まさか………な………。


俺の脳裏に、嫌な思考が横切る。


俺は何も言わずに優愛ちゃんの手を握って、元来た道を戻った。