「………お父さんが理事長でも、これは流石にマズいんじゃないですか?」
「ん?親父は俺が優愛ちゃんの事が好きだって知ってるよ?」
マジですか………。
「まぁ、だから簡単にこの高校に赴任出来たんだけど。」
「普通反対すると思うんですけど………。」
「その逆!むしろ応援してくれたよ。」
どうやら、先生のこの性格(?)は理事長譲りらしい。
親子揃って、頭のネジぶっ飛んでるわ。
「おっと、もうこんな時間。帰ろっか。送ってくよ。」
腕時計を確認してそう言った先生は立ち上がり、伝票を持つ。
「一人で帰れます。アイスティーいくらですか?」
財布を取り出し顔を上げると、さっきまで目の前に居たはずの先生が居ない。
店内を見渡すと、レジでお会計をしている先生の姿が目に映った。