「家まで送ってくよ。」


そう言ってちゃっかり私の手を握って歩き出そうとした前川先生を引き留める。


「手、離してください。」


振りほどこうとするけど、大人の男の力に勝てるはずもなく。


そのまま引っ張られながら、帰路を歩いていく。


「優愛ちゃん、ちょっとお茶していかない?」


しばらく歩いた所で、先生が立ち止まった。


「は………?」


困惑している私をよそに、「いいから。」と近くにあったカフェに私を引っ張って入っていった。


店員さんに案内されて席に着く。


「何飲む?」


「………アイスティーで。」


「はいよ。………すみませーん。」


先生が店員さんを呼んで注文してくれた。