……でも、


「それは俺のセリフだよ」


微動だにしない蓮くんは、真っ直ぐに理人先輩を見据えて言った。


「今あんたのためにせっかく花嫁修業しても、未来では全部俺のためになるから」

「は? 未来?」

「わかんねぇの? ウェディングドレス着た歌鈴にキス出来んのは、俺だけってことだよ」


着てなくてもするけど、と私を引き寄せてクスッと笑った蓮くんに、たちまち頬が熱を帯びる。

反対に、理人先輩は渇い笑みを滲ませていた。