「……好き、なのかなぁ」


ぽつり、今日1日、ずっと考えていたことが口に出る


ううん、本当はずっと前から何となく感じてた
悠生くんの笑顔を見るとドキドキして、私まで楽しくなる
一緒にいると、何もしてなくても恥ずかしいけど、それ以上に別れた時が寂しい


これが、「好き」なのかな…
初恋もまだの私にはよく分からない


「え、嘘!ほんとに!?」


「…一緒にいると楽しいよ。奈緒ちゃんや樹くんとは、違う感じで。
今日もね、奈緒ちゃんと一緒に花火見れなくて残念なのに、ちょっとだけ、2人で見れてラッキーて思ったんだ」


誰かの話を聞くことはあっても、自分のそういう話をするのは初めてで気恥ずかしい


意味もなく毛先をいじったりしてしまう


「咲〜!!」


「わぁ!奈緒ちゃん?」


テーブルから身を乗り出して、奈緒ちゃんが抱きついてきた


「咲のこと、めっちゃ応援する!絶対幸せになってほしいもん」


ぎゅうと抱きしめられてそんな風に言ってくれる


「ありがとう。頑張るね」


こんなに思ってもらえるなんて、幸せ者だなぁ


奈緒ちゃんと友達になれて良かった


まだ、何を頑張ったら良いかも分からないけど、せっかくの初恋だもん
精一杯、自分に正直に行きたい


「そっか、悠生かぁ」


噛み締めるように奈緒ちゃんが呟く