「とりあえず浴衣脱ぎたいよね。咲、先にお風呂行ってきていいよ」


「いいの?」


「うん。あたしはこの辺で適当に着替えれるし」


「ありがとう」


その言葉に甘えて、借りた着替えを持って先にシャワーを浴びさせてもらう


今日は一気に色んなことが起きたなぁ…


数十分前まで、悠生くんを手を繋いでいたなんて嘘みたいだ


思い出してまた顔が熱くなる


誤魔化すように頭からシャワーを被って、上がる


奈緒ちゃんの部屋へ戻るとベットに横になっていた


「お風呂ありがとう」


「おかえり。服のサイズとか大丈夫そう?」


「うん。大丈夫だよ、ありがとう」


「よし、じゃあ女子会開始だ!」


私がシャワーを浴びている間に持ってきていたのか、お菓子やジュースがローテーブルに並べられていく


「ね、花火の時どうだった?」


向かい合うようにして座ったとたん、真剣な顔をした奈緒ちゃんがテーブルから乗り出すようにして問い掛けてきた


「どうってそんな…特に何もないよ、2人で花火見てただけだもん」


手を繋がれていたことや、背中にあった熱を思い出して、また少し顔が熱くなる


「でも今日、手繋いでたでしょ」


「き、気付いてたの!?」


何も突っ込まれなかったから、てっきりスルーされてるんだと思ってた…


「当たり前じゃん!もうずーっと気になってたんだから!」


「や、その、私が迷子にならないように、だよ」


悠生くんの言葉をそのまま繰り返す


「ふふ、顔真っ赤」