「ほら、やっぱりさっきの子だ」
目の前に広がる不可解な光景に目を瞬かせていると、隣の席の悠生と名乗った男の子が嬉しそうに笑顔を浮かべ、隣に立つ黒髪の男の子に満足気な顔を向ける
「あ、えっと、朝はありがとうございました!」
「いえいえ。あそこ人やばかったもんな~怪我なかった?」
慌てて頭を下げると続けて心配される
てっきり私の顔なんてもう忘れられているものだとばっかり思っていたのに…
「何?悠生、知り合い?」
突然の展開に頭がついていかず、必死に頷くことしかできないでいると突然前の席の女の子が振り返る
また人が増えた…っ
「いや、朝、人混みの中で倒れそうになってたとこを俺が助けたの」
「ふーん、あたし岡本奈緒!よろしくねっ」
「あっ、えと、神原咲ですっ」
「夕日谷から来たんでしょ?あそこ遠いよね?」
「サッカー部強くて有名だよな~」
「二人とも、神原さん固まっちゃってるから」
目の前でテンポよく交わされる会話に戸惑っていると、双子の黒髪くんが苦笑いしながら仲裁に入ってくれる