「え!?」


状況が理解出来ず、再び目線を奈緒ちゃんへ戻すと、気まずそうに苦笑いしている


「あー、えっと…ごめん、言うのすっかり忘れてた…
2人も暇だって言うから、一緒に行こうってあたしが誘ったの」


「奈緒、神原さんに言ってなかったのかよ
なんかごめんな」


樹くんが呆れたような顔をしながら近付いてくる


「えっ、いや、全然!ちょっとびっくりしただけだから」


「ほんとごめん…!咲さえ良ければ、4人でどうかな?」


「もちろん良いよ!楽しそう」


ぱちんっと手を合わせ、こちらをうかがってくる奈緒ちゃんに笑顔で答える


断る理由なんてない


むしろ、まさか4人で行けるなんて思ってなかったから嬉しいくらいだった


「やっほ、2日ぶり」


少し遅れてやってきた悠生くんが、軽く手を上げて笑ってくれる


私もつられて真似して応えた


「え、夏休み中も2人会ってたの?」


悠生くんの言葉に目ざとく反応した奈緒ちゃんがぱちくりと目を瞬かせる


「総合病院のボランティア、神原さん来てたんだよ。それで週一で会ってんの」


「はぁ!?なにそれ聞いてない!てかなんであたしより悠生のほうが多く咲に会ってんの!?」


「知らねぇよ。補習なんかやってるからだろ」


「むっかつく…!!悠生なんかハゲればいいのに!いいもん、咲は今日、うちに泊まりなんだから」


悠生くんにべーっと舌を出して、腕に絡みついてくる奈緒ちゃんが可愛い