私の予想とは違った彼の返答にほっとして息を吐き、じゃれ合う悠生くんと子供たちを微笑ましく眺めていると、両脇から服のすそを引っ張られる
「咲ちゃん、この絵本読んでー」
「これも!」
「うん、分かった。順番ね」
「人気者だなー」
絵本を抱えた2人の手を取り、座れる場所へ移ろうとしていると後ろから声をかけられる
「そんなこと…「咲ちゃんの絵本ね、すっごく面白いんだよ!」」
悠生くんほどじゃない、と否定しようとすると、手を繋いでいた女の子が声を上げる
ここに来るようになってから、読み聞かせを褒めてもらうことが増えた
嬉しい反面、少し恥ずかしい
「へぇ、じゃあ俺も聞こっかな。一緒に行く人この指とーまれっ」
「え!?悠生くんも?」
「ダメ?」
「ダメじゃないけど…」
恥ずかしいよ…
「咲ちゃんはやくー」
そんな私の心境なんて知る由もない子供に急かされ、しぶしぶ絵本を開く
そうしてその場にいた3人の子供たちと悠生くんを相手に読み聞かせを始めた