「神原さん!なんでこんなとこに?」


あまりの衝撃に事態が呑み込めなかった私は、瞬きを繰り返すだけで言葉が出ない


目の前で子供たちに囲まれていたのは悠生くんだった


「えっと…ボランティアで…」


混乱しながらなんとか投げかけられた質問に答える


「まじか。まさか、サキちゃんが神原さんだとは思わなかったわ」


悠生くんはうろたえる私とは違い、楽しそうにけらけらと笑っている


「悠生くんこそ、どうしてここに?」


前に彼をここで見掛けた時のように、妙な焦燥感に駆られる


また体調を崩していたんだろうか


「俺はこいつらのお守りみたいな感じ。学校休んでた時にさ、何回か病院来てたら顔見知りになって、懐かれちゃって」


「こいつら」と言いながら、近くにいた子の頭をわしゃわしゃと撫で回す


子供はくすぐったそうにしながらも、楽しそうな笑い声をあげる


悠生くんはここでも人気者みたいだ