最近では、名前を覚えて毎回遊びに誘ってくれるような子もいて、良い息抜きになっていた


「咲〜!!」


成績表をファイルにしまっていると、もうすっかり離れてしまった席から奈緒ちゃんが駆け寄ってくる


「どうしよう…」


そうして彼女が広げて見せてくれたのは先程配られた成績表


数学の欄にマーカーが引かれていた


つまり、赤点だ


「もっとちゃんと勉強しておけば良かった〜」


泣きそうな顔で、というかもうすで半泣きの状態で項垂れる奈緒ちゃんに何と声をかけていいか分からず、苦笑い


今回は勉強会の誘いもなかったから、大丈夫なんだと思ってた…


「私に教えられるところなら教えるから、がんばろ?」


「ありがとう〜ほんと、天使…」


近頃、奈緒ちゃんは私のことをよくそう呼ぶ


そんな柄じゃないんだけどなぁ…