「小林悠生(ゆうせい)です!俺も青葉中から来ました
樹とは双子です!よろしくお願いします!」


端的だった先程の男の子とは違い、明るく満面の笑みを浮かべとても楽しそうに自己紹介を終えた彼


やっぱり双子だったんだ


それにしてもまさか席が隣なんて、ちゃんとお礼を言えってことなのかな…


だけど、向こうは私のこと覚えてないみたいだし…


「岡本奈緒(なお)、青葉中から来ました
部活はバスケに入るつもりです
よろしくお願いします」


1人で戸惑っている間にも自己紹介は進み、私の前の席の子の自己紹介が終わってしまった


ついに私の番だ…


「か…神原(かんばら)(さき)、です、
夕日谷(ゆうひだに)中学から来ました
よろしくお願い…します、」


緊張で声が震えてしまった


絶対 耳まで真っ赤だよ…


切実に、この自己紹介なんて言うイベントはなくなればいいと思う


だけど文句を言ってみたところで、毎年当たり前のように行われるそれを回避する術なんて持っていない


結局のところやるしかないのだ