「え!?なら神原さんのは俺にちょうだい!」


「お前さっき、いらないからって神原さんに自分のあげたんじゃないのかよ」


「そうだけど、俺だけなんも持ってないのは寂しいじゃん!」


「何その謎の理論。咲のこと困らせないでよ」


「えと…こんなので良ければどうぞ…」


絶対悠生くんが作ったやつの方が綺麗だけど、と思いながら、3人と同じ工程で作ったとは思えないとんぼ玉を恐る恐る差し出す


「ありがと!」


ほんとにこんなのでいいのか疑問だけど、悠生くんが嬉しそうだからいいか


「ていうか、なんでみんなで同じようなもの作って交換会しなきゃいけないの」


「まぁいいじゃん。これはこれで思い出だろ」


樹くんはいつも発言が達観している


もらったとんぼ玉、どこに付けようかな…


ペンケースに着けたら可愛いかも


できるだけ傷ついたり無くしたりしなくて、でも毎日持ち歩くようなものがいいなと思いながら、ひとまず持ち歩いていたカバンにつけておく


顔を上げると目の前で悠生くんも、同じようにカバンに付けてくれていた