倣うようにそちらを見ると、釜から泡が吹きこぼれていた
「え!?どうすればいいの!?」
慌てて立ち上がるけど、どうしたら良いか分からずあたふたしてしまう
それは悠生くんも同じで、2人で慌てていると
「まだまだ、それが引くまで待ってて」
ちょうど近くを通った先生がそう教えてくれた
これを放っておいていいのかな…?
いくら先生の言葉といえど、全然大丈夫に見えない目の前の光景に不安になってくる
すると、悠生くんも同じことを思ったようで
「え、大丈夫なんですか?めっちゃ溢れてるけど」
「いいのよ
今開けたらご飯美味しくなくなっちゃうからね」
先生はそう言って笑うと、他にも私たちと同じように慌てふためく生徒の元へ行ってしまった
「本当に大丈夫かな…」
今度こそは目を離さないようにしながら、家での樹くんの様子や幼いころの奈緒ちゃんの話なんかを聞いていると、少しずつ泡は収まり、いい匂いがしてきた