私もずっと悠生くんに聞こうと思っていた事がある
あの日、家に帰ってから、きっと勘違いだったんだと何度も自分に言い聞かせた
だけどやっぱり、もやもやは晴れなくて
たぶん、今を逃したらもう聞けない
「悠生くん、あの週末に総合病院にいた?」
「え…?」
「私の勘違いかもしれないんだけど、似た人を見た気がして」
勘違いであって欲しい
「あぁ、薬、もらいに行ってたかも」
だけど、あんなに聞くのが怖かった答えは、開いてみればなんてことなかった
そうか、薬
あそこは内科もあるし、青葉中から来た悠生くんならかかりつけの病院があそこでもおかしい事じゃない
嫌なことばかり考えてしまって、そんな単純な可能性を見落とすなんて
「そうなんだ。なら声掛けたら良かったね」
あの時、声を掛けるのを躊躇ったのが馬鹿みたいだ
1人で、少し恥ずかしくなって、でも安心していると
「やばっ!」
火の方を見ていた悠生くんが突然声を上げる