「あいつ、何考えてんの」
悠生くんと相談していたのかと思えば、そういう訳でもないみたいで、彼も困ったような呆れたような顔をしていた
「ええと…とりあえず、あっち行く…?」
そんな状態で置いて行かれた私たちのことなんてお構い無しに、飯盒担当の先生がこっちに向かって手招きをしている
「神原さん、本当にこっちでも大丈夫?
何なら俺が今からでも樹のこと連れ戻すけど」
「大丈夫だよ」
突然のことに驚いただけで、特に嫌なわけでもないので笑って頷く
丁度、悠生くんに聞きたいこともあったし
班ごとに割り当てられた場所へ向かうと、そこにあるのは薪や小枝の山とマッチ箱、それから綿、2つの飯盒用の釜
「え、これ、火起こすとこから?」
「そう…かも…?」
「じゃ、俺が火起こしとくから、神原さん米洗って来てもらってもいい?」
「うん、分かった」
いつの間にか奈緒ちゃんが居なくても普通に話せるようになったなぁ