はじめはウォークラリー


先生に順番に出発するようにと言われ、班ごとに並んでから、ふと悠生くんの姿が見えないことに気がついた


たしか朝、バスに乗る時はいたと思うんだけど…


「樹くん、悠生くん知らない?」


「あぁ、だるいからサボるって」


林間学校に来ても相変わらずだなぁ…


「こんな所に来てまでサボり?ほんと問題児だね」


私たちの会話を聞いていたらしいナツちゃんが隣で呆れたように笑う


せっかく同じ班になれたのにな…少し寂しい


そのうちに私たちの番が来て、悠生くんの居ないまま出発することになった


「このチェックポイントを辿(たど)ればいいのか?」


「そう。ポイントごとに問題があるから、それをみんなで協力して解くの」


班長の樹くんと、全体を把握してる奈緒ちゃんが先導してくれて、思っていたよりスムーズに進む


問題も謎解きみたいなものが多くて、みんなで考えればすぐに答えを出せた