その中心にいるのはさっき私を支えてくれた彼


そして、その隣には彼とよく似た顔立ちの男の子がもう一人


先ほどの彼は明るい茶色の髪をしていたけど、もう一人は黒髪


もしかして双子かな?


そんなことを思いながら、つい数十分前の「次に会ったらきちんとお礼を言おう」という決意は消え去っていた


あんな大勢がいるところに入るなんて絶対無理だし…


そうして誰かに話しかけることもできず、持ってきた本を取り出して入学式までの時間を潰すことにした


数分が経てば、体育館へ移動するようにと放送がかかり、クラスの最後尾を歩くようにして体育館へ向かう


式典は特に何事もなくスムーズに終わり、今日はあと各クラスでのHRが終われば帰れることになっている


皆が体育館から戻ってきて席に着いた頃、教壇に立ったのは体格の良い男の先生