あたしの隣に座る咲は、時折何かを振り払うように軽く頭を振ったり、小さくため息を零したりしながら、悠生にずっと視線を注いでいる


何か聞いているんだろうか?


それにしてはよそよそしい気もするけど…


咲はおっとりしている割に、勘がいいから、なにか気づいているのかもしれない


なんて考えながら、決めることを決めて終わったあたし達はだらだらと中身のないお喋りを始める


みんなの手際が良いおかげで、授業が終わるまであと20分くらいあるのに、今日やることは終わってしまった


「先生、うちのクラスって席替えしないんですかー?」


みんなが同じようにお喋りに興じていたとき、どこからかそんな声が上がる


「お、時間もあるし、やるか?」


担任のいい所をあげるとすれば、このノリの良さだと思う


先生のその言葉を皮切りに、誰かがくじを作り始め、あっという間に席替えが始まる


席順にくじを引いていき、割り当てられた席にみんなで一喜一憂する