だけど咲は話したことがない人は嫌がるだろうし…
悩んでいると、綾とナツが近付いてきた
「奈緒、一緒にどう?」
「ナツちゃん!綾ちゃん!」
咲がほっとしたと言わんばかりに笑顔を浮かべる
一応、樹たちにも目配せをするも2人とも特に異論なしの様子
「じゃあ決まりだね」
班のメンバーを書く用紙に名前を並べ、班長やら飯盒炊爨の時の役割分担を決めていく
「じゃあ、班長は樹で、飯盒炊爨の時は女子がカレーで男子がご飯炊く係ね」
特に滞りもなくサクサクと決まっていく
それはほかの班も同じで、雑談は聞こえるものの決めることはきちんと決めているようだった
ちらりと先程から完全に上の空の悠生に目を向ける
テストの最終日からほぼ1週間休み、ようやく復帰してきたというのに、ずっとこの調子だ
話しかければいつも通りだし、男子たちとふざけて笑いあってるのも見たけど、やっぱり何かおかしい
クラスメイトは騙せても、あたしの目まではごまかせないんだから