「ぅわっと、大丈夫?」
捕まれる場所もなく、このまま後ろに倒れるしかないと思った矢先、誰かに背中を支えられ、頭上から声を掛けられる
「おーい?」
固まったまま声も出ない私を不思議そうに見つめるその人
「あ、だ、大丈夫です…っごめんなさいっ」
慌てて何とか返事をして勢い良く頭を下げる
「そ?ならよかった
気を付けなよ」
私を助けてくれたその人は軽く手を振ると颯爽と去っていった
__ ねぇ、今の人見た?
__ すっごくイケメンだったよね!?
__ 一年生かな?同じクラスだといいなぁ
彼の後ろ姿にもう一度頭を下げ、入学早々恥ずかしいところを見られてしまったと赤面していると、どこからともなくそんな声が聞こえる
確かにイケメンだったと思う
芸能人とまではいかなくとも、整った顔立ちをしていた
さっきはきちんとお礼も言えなかったし、また会ったら言っておこう
…できれば