「初日から奈緒に連れ回されて大変だったろ。神原さんも電車通?」


相変わらずテンポよく交わされる3人の会話を聞いていると、突然その矛先が私に向く


「あ、はい。奈緒ちゃんと隣の駅みたいで、一緒に帰ろうって誘ってくれて」


「んじゃ、俺らとも隣なわけだ」


悠生くんのその言葉の真意が理解できず、首をかしげる


「俺ら3人、地元が同じなんだ」


「そう。生まれた時からの腐れ縁
ていうか樹、変な事言うのやめてよね!連れ回したなんて人聞き悪い」


「あー、はいはい。悪かったって」


「全然反省してないじゃん!」


首をかしげていた私に助け舟を出してくれた樹くんの言葉に奈緒ちゃんが頷いて、そのまま始まった仲の良さそうな2人の軽口を聞きながら、ちょうど来た電車に乗って家路につく


来る時は少し長く感じた3駅も4人でいるとあっという間で、私が降りる駅になると 3人とも また明日ねって手を振ってくれた