どうやら奈緒ちゃんはバスケ部の先輩に誘われてこの高校に来たみたい


見学に行った途端 声を掛けられていたから


「うん!やっぱりあたし、バスケ入ろっかな」


「奈緒ちゃんがバスケ部入ったら試合、応援に行くね」


「うわ〜じゃあまずはスタメン入れるように頑張んないとじゃん!」


そんな他愛もない話をしながら駅に向かって歩く


部活見学どころか一緒に下校までできちゃうなんて想像もしてなかったから本当に嬉しかった


朝あんなに不安だった気持ちが嘘みたいだ


「あれ、樹と悠生じゃん。今から帰るの?」


ホームで電車を待っていると、後ろを向いた奈緒ちゃんが驚いたように声をあげる


「やっほ、さっきぶり。2人も今帰り?」


「そ。部活見学してきたとこなの」


「バスケ部にちゃんと顔出したのか?」


「出してきたよ〜すごい喜ばれちゃった」