そうは言われ、わたしも返事はしたけれど……


コウくんが隣に来たことで顔は見えなくなっても距離の近さに胸のドキドキが早くなった気がする。


目の前の問題よりもコウくんが気になってしまう。


解いた問題もまだ2問くらい。


難しい問題に苦戦しているのもあるけれど、進まない大きな理由はドキドキしすぎて集中できないから。



「……っ!」


「ビクッてしたけど何?」


「い、いやっ、だってコウくんが肩に……」



こてんと頭を乗せてきたから。


そりゃびっくりもするよ。



「勉強疲れたからきゅーけー」


「それなら離れてよ、集中できないからっ!」


「んー、ヤダね、無理。それにさっきから芽依集中してないじゃん」


「し、してるし!」



……できてないけど。



「問題わかんないなら教えてあげよっか?」


「いいの?」


「何のためにいると思ってんの?俺いらないなら帰って寝るけど」


「いえ、お願いします」